「むし歯は全部治したい」

そう思って痛みが出ていない歯を治療したら痛みが出てしまった……。

そんな経験はありませんか？

痛みが出ていなかった歯を治療したのに、痛くなったら不安になりますよね。

一時的に神経が敏感になっていて落ち着く可能性もありますが、いくつか原因が考えられます。

そこで今回は、痛くなかった歯を治療して痛みが出た場合の原因について詳しくご紹介します。

 

1　治療した後は神経が敏感になっている

むし歯の治療をすると、歯を削る機械の振動が神経に刺激を与えます。

むし歯が進行して神経の近くになればなるほど、神経に振動や刺激が伝わりやすくなります。

また、歯の内側の部分の象牙質のむし歯を取り除くと、神経に近いので、一時的に神経が敏感になることがあります。

この場合には、神経が落ち着くと痛みが治まってきます。

神経を落ち着かせるために、できるだけ熱いもの・冷たいものなどの刺激がないように安静に過ごすようにしましょう。

 

2　むし歯が内部で進行していて歯の神経がだめになっている

むし歯が進行して神経まで達すると最初は強い痛みを感じますが、神経がだめになると慢性炎症になって痛みを感じなくなります。

ただし、そのままにしておくと更にむし歯が進行しますし、お口の中にむし歯菌が多くいるので、ほかの歯に悪影響があります。

 

そのため、むし歯を治療する必要がありますが、今まで痛みがなかったのに、治療の刺激で痛みが出ることがあります。

完全に神経を除去すると、徐々に痛みは落ち着いてきます。

 

3　神経が炎症を起こしている

神経を除去すると歯がもろくなってしまい、寿命を縮めてしまう可能性があるので、できるだけ保存して治療を行っています。

そのため、むし歯の進行が神経に近く、保存できるかギリギリのところでもできるだけ神経を残します。

ただし、神経の近くまで進行しているむし歯の場合、治療後もしみる、痛みが出る場合があります。

徐々に落ち着くこともあるので、回復を期待しながら待ちます。

痛みが変わらない場合には、残念ですが神経の処置をして治療をすることになります。

 

4　詰め物の高さが合っていない

神経を残して詰め物をした場合かみ合わせの確認をします。

この時かみ合わせが高いと強く当たってしまい、詰め物が神経を圧迫することで痛みが出てしまうことがあります。

かみ合わせは髪の毛が1本入っても違和感がある敏感な部分です。

すぐに調整も可能ですので、詰め物のかみ合わせが気になる場合には遠慮なくご相談ください。

 

5　神経が取り切れていない

歯の根の内部の神経は複雑な形態をしています。

麻酔が効いている時には気がつかなくても、細かい部分に残っている可能性がありますので、むし歯の治療の後にズキズキ痛む場合にはご相談ください。

この場合には、神経の処置をする必要があります。

 

6　治療後の痛みはいつまで続くの？

一般的に、治療後の痛みは2～3日程度で落ち着くことが多くなります。

その後もズキズキ痛みが続くようであれば、治療の刺激による痛み以外の原因が考えられます。

目安としては、1週間を過ぎても落ち着いていかない場合には、歯科医院に相談することをおすすめします。

 

【まとめ】

痛みがなかった歯を治療して痛みが出ると不安になることもあると思います。

ただ、治療の刺激で一時的に痛みが出ている可能性もありますので、数日少し様子をみていただいています。

時間が経過して、神経が落ち着くと痛みも感じなくなることが多いので、この期間痛みが出たら痛み止めを服用するなどの対応をしながら過ごしてください。

数日過ぎて1週間以上痛みが出るようでしたら、歯科医院にご相談することをおすすめしています。