今回は、歯周病について詳しくお伝えします。
歯周病は、歯と歯ぐきの周りに炎症を引き起こす病気で、放置すると歯を支える組織が損傷され、最悪の場合歯が抜けてしまうこともあります。
しかし、正しいケアと専門医のサポートで予防や治療が可能です。
歯周病の予防
歯周病の予防は、まず歯みがきから始まります。
毎日の歯みがきでは歯の表面の歯垢を取り除けますが、歯と歯の間や歯茎の溝などに溜まる歯垢も見逃さずケアすることが大切です。
歯磨きの際、歯ブラシを垂直に当てず、45度の角度で歯茎に向かって動かすと、歯垢をしっかり除去できます。
歯と歯の間の歯みがきには、歯間ブラシやフロスを活用しましょう。
これらのアイテムは歯のすき間や歯と歯の接触面に溜まった歯垢を取り除くのに役立ちます。
また、食事や生活習慣の見直しも大切です。
バランスのとれた食事やタバコの控えめな摂取は、歯周病のリスクを軽減します。
歯周病の治療
歯周病が進行してしまった場合、歯科医師の協力が不可欠です。
治療はステップごとに進みます。
ステップ1
虫歯か歯周病化によって違いますが、ハミガキを使って歯を1日2~3回磨くことが基本です。
歯垢の蓄積を防ぐためには、日常のケアが欠かせません。
ステップ2
歯と歯の間に溜まった歯垢をフロスで除去します。
歯みがきだけでは届きにくい部分にアプローチし、歯周病の進行を抑えることが期待できます。
ステップ3
歯科医院での検診が重要です。
歯科医師が専門の器具を使って歯垢や歯石を取り除き、定期的な検診で早期発見が可能です。
歯周病が進行してしまった場合は、歯科医師のアドバイスに従いながら、根気よく治療に取り組んでいく必要があります。
治療の経過や注意点を理解し、患者さん自身が積極的に関与することが大切です。
歯周病と全身の健康
歯周病と全身の健康には密接な関係があります。
歯周病は口腔内の感染症であると同時に、全身の健康に影響を及ぼす可能性がある疾患です。
- 歯周病と全身の健康のつながり
歯周病は細菌による感染症で、歯周ポケットと呼ばれる歯と歯茎の隙間に細菌が蓄積し、歯肉の炎症を引き起こします。
この炎症が進行すると歯周組織が破壊され、歯を支える骨が減少することがあります。
しかし、歯周病の影響は口腔内だけにとどまりません。
- 心臓病や糖尿病との関連
歯周病と心臓病、糖尿病との関連が指摘されています。
歯周病の進行によって生じる炎症性物質が全身を巡り、心臓病や糖尿病のリスクを増加させる可能性があります。
歯周病による炎症が全身に影響を及ぼすことで、炎症反応が引き起こされ、慢性的な炎症が心血管系統や全身の疾患の進行に寄与することが考えられています。
- 妊娠中の合併症
歯周病は妊娠中の合併症にも影響を及ぼす可能性があります。
歯周病の進行が妊婦の全身に悪影響を及ぼし、早産や低体重児の出生リスクが増加するとされています。
妊娠中には歯周病の予防や治療が特に重要となります。
- 関節炎や認知症との関わり
歯周病と関節炎、認知症との関連も研究されています。
歯周病は口腔内だけでなく、全身の健康にも影響を及ぼす可能性がある重要な疾患です。
日常的な歯のケアや歯科検診を通じて歯周病を予防し、口腔内の健康を保つことは、全身の健康をサポートする一環となります。
炎症の予防や早期発見が、全身の様々な疾患の予防や管理につながります