正しい歯の磨き方を教わったことはありますか?
なんとなく小学校の時に習ったのを覚えているといった方も多いのではないでしょうか。
大人になってからはなかなか歯の磨き方を習う機会は少ないかと思います。
今回は、正しい歯の磨き方について解説します。
歯磨きの目的
歯磨きの目的は、歯についた食べかすをとることではなく、細菌である歯垢(プラーク)を除去することです。
このプラークは、歯の表面にべったりと付着しているため、うがいや歯磨き粉の力だけでは落とせません。
虫歯と歯周病の原因であるプラークを歯ブラシでしっかりと落とすことで、口腔内の健康を保つことができるのです。
歯磨きの方法
効率よくプラークを落とすためには、正しい歯磨きの方法を身につける必要があります。
歯磨きのポイントは主に3つです。
- 歯ブラシの持ち方:鉛筆を持つように軽く持つ
- 歯ブラシの動かし方:小刻みに動かしながら1〜2本磨く
- 歯磨きの力:150〜200gで毛先が広がらない程度
力を入れずに優しく歯ブラシを動かすことがポイントとなります。
基本は直角磨き
歯ブラシの毛先を歯面に直角に当て、前後に細かく動かす磨き方です。
歯並びに段差がある場合は、歯ブラシを縦にして磨きましょう。
噛み合わせの面や、歯の裏側も忘れずに磨いてください。
歯周病予防には斜め磨き
歯周病で歯肉が腫れている方や、出血しやすい方には、斜め磨きがおすすめです。
歯ブラシの毛先を、歯と歯肉の境目に45度に当てます。
最初は出血しやすいかもしれませんが、しっかりと磨けていると歯肉が健康になり、腫れや出血がおさまります。
鏡を見ながら、歯ブラシの毛先がしっかりと当たっているか確認しましょう。
歯磨きの時間と回数
歯磨きのタイミングは、起床後・食後・就寝前となります。
時に夜寝ている間は唾液が減って細菌が繁殖しやすくなるので、念入りに磨きましょう。
起床時に口腔内の乾燥を感じやすく、口臭がしやすくなるのはこのためです。
歯磨き時間は5分程度で十分です。
日中に歯磨きが難しい場合は、起床後・夕食後・就寝前の3回は磨くようにしましょう。
プラークは食後8時間程度でできるといわれていますので、歯の表面にプラークが付着している時間を長くしないことがポイントです。
歯ブラシを選ぶポイント
歯ブラシの硬さは普通からやわらかめがおすすめです。
大きさは男性であれば普通サイズを、女性やお口が小さい方は小さめが良いでしょう。
基本的には毛先がフラットな「ラウンドカットタイプ」を選ぶと良いですが、歯周病ケアには毛先が細めの「テーパードタイプ」がおすすめです。
歯ブラシ交換の目安は?
歯ブラシの毛先は、使用しているうちに毛先が開きます。
毛先が開くとプラーク除去率が低下するため、一ヶ月に1回は新しい歯ブラシに交換すると良いでしょう。
古い歯ブラシは、新品の歯ブラシに比べて、プラーク除去率が20%〜40%も低下するといわれています。
また、歯ブラシ自体に細菌が繁殖しやすくなりますので、古い歯ブラシを使い続けることは衛生的にもあまりおすすめできません。
ちなみに、一ヶ月以内で毛先が開いてしまう場合は、歯磨きの力が強すぎる場合がありますので、見直してみてください。
歯磨き粉は使った方がいい?
最近の歯磨き粉には、薬用成分や虫歯予防に効果的なフッ素などが含まれていますので、積極的に使用することをおすすめします。
歯ブラシ以外にも、デンタルフロスや歯間ブラシを使用するとより効果的です。
歯科医院では、歯科衛生士によるブラッシング指導も行っています。
正しい歯の磨き方、ご自身に合った歯の磨き方をマスターして、口腔内の健康を保ちましょう。