虫歯の治療をして銀歯を入れているという方も多いと思います。
実は銀歯にも寿命があるというのはご存知でしょうか?
意外にも「虫歯をとって銀歯を入れたからもう安心!」というわけではないのです。
今回は、銀歯はどれくらいもつのか、寿命はあるのかについて解説します。
銀歯の寿命
虫歯の部分を削って型取りをし、保険適用の場合は銀歯を入れます。
この銀歯と呼ばれる金属は、実際には金や銀、銅やパラジウムなどのいろいろな金属で作られており、正式には金銀パラジウム合金といいます。
この金銀パラジウムである銀歯の寿命は、個人差がありますが平均すると6〜8年と言われています。
銀歯は性質上、錆びたり変形したりと劣化しやすい材質です。
外れてしまったり、銀歯の下で虫歯になったりした場合は、銀歯の寿命がきたということです。
銀歯は保険適用で費用が安いことがメリットですが、ドイツやスウェーデンなどの先進国では金属アレルギーの懸念などから、銀歯の使用は禁止されています。
保険診療には、厚生労働省が定めた細かいルールが定められており、虫歯治療に使用できる材質も決められています。
これは保険診療が、痛みをなくして噛めるようにするといった「最低限の治療」を目的としたものだからです。
虫歯は再発する
虫歯をとって銀歯で治療したのにもかかわらず、虫歯が再発してしまう原因は何なのでしょうか。
銀歯は性質上、錆びたり変形したりと劣化しやすい材質だと説明しましたが、長年使用していると銀歯が錆びることによって接着剤が溶けてしまいます。
そこから隙間ができて虫歯菌が侵入し、虫歯が再発してしまうのです。
銀歯はとても硬いですが、長年の噛む力によっても変形が起こり、隙間ができてしまいます。
劣化によって銀歯が外れてしまった場合は虫歯に気が付きやすいですが、知らない間に銀歯の下で虫歯が進行する場合も多いです。
そして銀歯の下が虫歯になってしまった場合は、再度虫歯を削って詰め物をする必要があります。
しかし、歯は削れば削るほど弱くなってしまうため、できるだけ虫歯が再発しないようにしなければなりません。
虫歯になりにくくするには
すでに銀歯で治療した歯が多いといった場合はどうしたら良いでしょうか。
一度虫歯になってしまった歯は、虫歯の再発を完全に防ぐことは難しいですが、できるだけ虫歯を再発させないようにする方法を解説します。
フロスや歯間ブラシの使用
歯と歯の間は最も虫歯になりやすい場所です。
歯ブラシだけでなく一日一回のフロスや歯間ブラシの使用で、歯と歯の間にプラークがたまらないようにしましょう。
定期的なメンテナンス
銀歯の下の虫歯は自分ではなかなか気がつきにくいため、知らない間に虫歯が進行してしまいます。
定期的に歯科医院を受診して虫歯の検査を受けましょう。
見た目だけではわからない虫歯も、レントゲン撮影によって発見できる場合もあります。
虫歯になりにくい材質を選択する
虫歯を再発させないためには、虫歯になりにくい材質を選ぶことも大切です。
虫歯になりにくいと言われる材質は、保険適用外のゴールドやセラミックです。
ゴールドは金属ですが、時間が経っても錆びや変形が起こりにくい金属です。
セラミックは自分の歯と見分けがつかないほど見た目も美しく、金属アレルギーの心配もありません。
ゴールドやセラミックの寿命は平均すると10年以上と言われていますが、お手入れ次第で20年以上もたせることも可能と言われています。
「虫歯をとって銀歯を入れたからもう安心!」というわけではなく、一度治療した歯は健康な歯に比べて虫歯が再発しやすくなります。
丁寧なセルフケアはもちろん、定期的なメンテナンスで虫歯の再発を予防しましょう。
保険適用外の材質については歯科医師にご相談ください。